◇不動産用語集◇
あ行
空き家
人が住んでいない家のことを指します。
2023年10月現在、日本全国の13.8%の空き家率となっています。
空き家があることにより、防災や防犯上の危険があります。最近では地方自治体を中心に、空き家の活用や、空き家の取り壊しなどを積極的に行う動きがあります。
アスベスト
石綿とも呼ばれる天然に産出される繊維状の鉱物です。
1960年代から70年代の日本の高度経済成長期には、ビルや学校などの公共建物の耐火材や耐熱材として天井や壁の内側などに大量に使用されました。
特に、耐熱性、吸音性、電気絶縁性などの特性に優れていて安価なため、建築資材、電気製品などさまざまな用途に用いられてきました。
当初からアスベストによる肺がんや中皮腫が確認され、指摘されていたにもかかわらず、 最近まで小中学校の理科の実験でも石綿金網は使われていたように、抜本的な対策は取られませんでした。
その後アスベスト粉じんの吸入が肺がんやアスベスト肺の原因となることが判明し、2012年に建物の工事に使用することは禁止され、これまでに使用された建物ではアスベストの除去作業も進められています。
位置指定道路
幅員4メートル以上の私道です。
一定の技術的基準に適合するもので、特定行政庁からその位置の指定を受けた道路を指します。
建築基準法上道路として認められます(42条1項5号)。
認められると、接道義務の要件を満たすことになり建物を建てることが出来ます。
売主
不動産物件を
1.売る人または法人という意味
2.取引態様における売主
の2つの意味があります。
1.は、買主売買契約をする相手をいいます。新築マンションや、新築戸建・分譲土地では不動産会社等の業者が売主となることが一般的です。中古物件では個人が売主になっていることが多くなります。
2.は、不動産広告において、その物件が売主と直接売買する取引であることを意味します。売主に代わって契約する『代理』、物件を媒介するだけで契約は売主と行う『媒介』があります。
縁側
和室の外側に設けられた板張りの通路を指します。
縁側は日本の和風建築独特のもので、庭などの外部から屋内に入ることもでき、玄関とは異なった内と外とを結ぶ穏やかな境界の役割もあります。
縁側には、建物の内部に設けられる入側縁や広縁と、外側軒下に設けれる濡れ縁などがあります。
か行
角地
その区画の隣接する2つ以上の辺が、それぞれ道路に接する形状の土地です。
前面道路の幅員等の条件によりますが、日当りや風通しが良いというほかの土地にない日常生活上のメリットや建物建築時の建ぺい率が緩和されるケースもあります。
そのため、周辺の土地に比べて土地価格(坪単価)が高くなるのが一般的です。
なお相対する2つの辺が、それぞれの道路に接する土地の形状は、二方道路という場合があります。
建ぺい率
敷地面積に対する建築面積(建物の水平投影面積)の割合(%)です。
主に建物の1階部分にあたります。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになります。
建物の建ぺい率の限度は、原則として、用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されています。
また区画が角地に位置している場合、前面道路の幅員にもよりますが建ぺい率が緩和されているケースもあります。
さ行
修繕積立金
管理組合が管理費とは別に共用部分や付属施設などの修繕を目的とした長期計画に従って修繕を実施するために、区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたものです。
管理費と同様、一般的に専有部分の専有部分の面積の割合で月額料金が定められています。
セットバック
2項道路(建築基準法第42条第2項の規定により道路であるものとみなされた幅4m未満の道のこと)に接する場合において、建物を建築・再建築する際、道路の中心線から2mとなるよう敷地の一部を後退させることをいいます。
なお、セットバックした部分は道路とみなされ、建物を建築することはできません。
た行
仲介手数料
宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金です。
媒介手数料(媒介報酬)ともいわれます。
定期借家契約
平成12年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、賃貸期間が終了すると借家契約も終了し、借家人は退去しなければならないとする契約です。
原則として契約の更新はできず、再契約には貸し主・借家人双方の合意が必要です。
テラスハウス
2階建ての連棟式住宅のことです。
隣家とは共用の壁で連続しているので、連棟建て、長屋建てともいわれます。
各住戸の敷地は、各住戸の単独所有となっています。
な行
二世帯住宅
親世帯と子世帯が同居する住宅のことです。
単に親子世帯の同居だけではなく、各世帯が独立性をもった住宅を意味します。
二世帯住宅は、親子で土地・建物を共有の名義にしたり、建設コストも削減できるなどの経済的なメリットがあります。また、一定のプライバシーを確保しながらお互いに助け合いできるという、生活上のメリットもあります。
また、二世帯住宅は、1戸とみなされるか2戸とみなされるかで、融資可能額や税額が変わってきます。
2戸1棟では、区分登記が可能になります。融資面では、二世帯分の公的融資が可能になります。
税金面では、ひとつの世帯の面積が小さくなるため、課税が軽減されることになります。
農地法
農地とは、耕作目的に供されている土地のことです。
農地法とは、農地の保護や権利関係に関する基本的な法律です。農地法は、農地は耕作者が所有することが適当と認めて、耕作者の地位の安定と農業生産力の増進を図ることを目的としています。戦後の農地改革(地主制の解体)の成果を維持推進するために、1952年に制定されました。
農地は、売買や貸し借り、転用等が規制され、農地法に基づいた許可や届出が必要です。農地を農業以外のものに転用するには、都道府県知事の許可が必要です。ただし、市街化区域内にあって農業委員会に届けてから転用する場合には許可の必要ありません。
は行
ひな壇
階段状になった造成地のことです。雛人形をかざる台のような形状から、このようによばれます。
風通しがよいケースが多く、高い場所や角地にある区画では眺望もよくなります。
なお各区画の日当りもよい南斜面のひな壇は、南下がりといいます。
ま行
マンション
鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)、鉄骨造(S造)で、3階建て以上の集合住宅のことをいいます。
これに対して、アパートとは木造・軽量鉄骨造の集合住宅のことをいいます。
なお、マンションの住人(所有者)は、所有権の視点から見ると、「区分所有権者」と呼ばれます。
や行
容積率
建物の延べ床面積の敷地面積に対する割合のことです。
容積率の上限は都市計画によって、用途地域ごとに定められておりその容積率を超えてしまうと建物を建てることはできません。
たとえば、容積率が200パーセントの地域にある、面積100平方メートルの土地に建てることができる建物の延べ面積は、100平方メートル×2=200平方メートル以内になります。ただし、敷地に接している前面道路の幅員によって制限される場合があります。通常は、住居系の用途地域の場合なら、前面道路の幅員×0.4、その他の用途地域の場合は、前面道路の幅員×0.6が上限となります。用途地域ごとに都市計画で定められた容積率よりも、前面道路の幅員により計算された容積率の方が小さい場合には、それがその敷地の容積率の上限となります。なお、特例容積率適用地区の制度など、容積率を緩和する制度もあります。
ら行
リノベーション
建物の専有部分の給排水・電気・ガスの配管や天井・壁・床の下地に至るまでを全面的に新設し、建物に新たな付加価値を与える大規模な改修を行うことをいいます。
一般的にリフォームは、原状回復などの修繕を意味しているのに対しリノベーションは刷新の意味合いが強いといえます。
例:住みたい希望のエリアで、新築分譲マンションでは予算オーバーしてしまいますが、割安な中古マンションを購入し、自分たちのライフスタイルに合せて大改造するといったケースです。
改修工事は様々ですが、設備などを最新のものに入れ替えたり、IT対応の設備を導入したり、間取りの変更や外観のデザイン変更により従来の建物とは別の新たな価値を創設します。
リビング
リビングとは、戸建てやマンションで家族の生活の中心となるスペースのことをいいます。
ダイニングとリビングが一体になったLDの形がよく見られます。
家族のコミュニケーションの場としてだけでなく、くつろぎや空間デザインの面からも大変重視されています。
通常は一番日当たりがよく、開放感がある位置に配置されことが多くマンションではバルコニーとの連続性等も図られています。
わ行
ワイドバルコニー
一般的には1.5メートルほどの奥行き(出幅)を、2メートル前後まで広げたバルコニーのことです。
鉄骨以上の戸建てやマンションに多く見られます。
通路が広くとれ、洗濯物をゆったりと干すこともできテレワークで利用する等生活スタイルに合わせて快適な空間を演出することが出来ます。
枠組壁工法
規格木材によってつくられた枠組みに壁・床・屋根などの構造用合板を打ち付け、建物全体の荷重を箱のようにして支える工法のことをいいます。
枠組みに用いられる製材が、厚さ2インチ、幅4インチであることが多いことからツーバイフォー(2×4)工法と呼ばれています。
2×6の木材を用いるツーバイシックス(2×6)工法も、同様に枠組壁工法に含まれます。